阪神芝2000mが得意な馬の特徴をまとめました。
阪神芝2000mと言えば、2017年からG1に昇格した大阪杯で有名なコースです。
また、京都競馬場の改修工事により2021年から秋華賞のコースとしても使用されています。
コースの特徴も踏まえながら好走するために必要な能力についてみていきましょう。
・阪神2000mコースの特徴
・阪神2000mを好走するために必要な能力(高速馬場)
・阪神2000mを好走するために必要な能力(時計のかかる馬場)
当サイトでは、競走馬が持つ能力をパワー、スタミナ、スピードの3要素に分類しています。
各要素を持つ馬体の特徴は、下記リンクよりご確認ください。
コースの特徴
概要
ゴール前直線からのスタートとなります。
阪神競馬場は内回りと外回りがありますが、2000mの距離では内回りを約1周します。
3、4コーナーから直線にかけて少し下り坂になっており、勢いがつきやすいです。
ゴール前の直線では急な上り坂となっています。
チェックポイント
このコースの適正馬体を見極めるうえで重要なポイントは2つです。
- Point1:最終コーナーから直線までの下り坂での対応力
阪神の内回りコースでは最後の直線が少し短いため、迎える前の3、4コーナーあたりから各馬の掛け合いが激しくなりがちです。
また、コーナーから直線にかけて下り坂になっているため、勢いもつきやすいです。
よって、スピードはある程度出せるコース形態となっています。
- Point2:最後の直線での急坂
2つ目は、距離に限らず阪神競馬場を好走するためのポイントです。
最後の坂を上りきるパワーがある程度必要になります。
この距離に関しては、最終コーナー、直線、ゴールにかけていかにスピードとパワーで押し切れるかポイントだと思っています。
結論
コースの特徴も踏まえ、好走しうる競走馬の持つ能力を数値化すると以下のようになりました。
基本的は3要素のバランス重視(少しだけパワーより)
基本的は3要素のバランス重視(少しだけスタミナより)
解説(高速馬場)
3要素の必要性と実際に過去に好走した馬体の特徴を解説していきます。
パワー
直線が急坂なのでパワーは必要になってきます。
また、最終コーナーから直線にかけて下り坂となっているため、各馬勢いのつきやすいコース形態となっています。
ここで、いかに他馬を突き放せるかは、スピードとパワーから生み出せれる推進力にかかっていると考えています。
加速はしやすいコース形状のため、ここにパワーをプラスして大きな推進力に変えれるかがポイントとなりそうです。
高速馬場なら尚更必要だと思ってます。
スタミナ
中距離のため多少のスタミナは必要ですが、マイルで実績を残しているの馬の好走も目立ちます。
1600、1800mをこなせる馬も十分対応できるコースだと思います。
スピード
最終コーナーから直線にかけて下り坂になっており、勢いがつきやすいため、二の足が遅い馬でもある程度スピードに乗ることができます。
このコースの特徴によりスピードタイプはより一層加速することができるでしょう。
また、スピード能力の高い馬は、コーナリングも上手なので捲り勝負になってもスムーズに抜け出すことができます。
逆にスピード能力の低い馬は、このコーナリングでもたつく可能性が高く、直線で加速した時にはもう届かないパターンのやつです。
コーナーでスムーズに競馬し、直線で先頭に立ち、その勢いのまま後続を突き放す、これがスピードタイプの勝ちパターンです。
過去好走馬体例
過去のレースで穴馬を中心に好走した馬を紹介します。
紹介するのは以下2頭です。
- ペルシアンナイト(2018年 大阪杯 2着)
- アルアイン(2018年 大阪杯 3着、2019年 1着)
ここで、2頭の馬体には共通する点が2つあります。
- 長くも短くもない胴回り
- 適度な筋肉量
胴回りは、極端に長すぎず、短すぎずといった形でマイルも中距離もこなせそうな体型をしています。
基本的には、胴が長ければ長距離向き、短ければ短距離向きと言われています。
実際に取り上げた2頭はそれぞれマイルでの好走実績のある馬です。
あとは、2頭とも筋肉量が豊富です。
特に前躯の足の付け根あたり、上腕三頭筋がモリモリで、スピードど合わせて大きな推進力を生み出すことができる馬体をしています。
トータルで見た時に少しパワーよりに見えますが、基本的には3要素のバランスが良い馬体に見えました。
解説(時計のかかる馬場)
パワー
馬場が荒れているとスタミナ消費が激しくなることが予想されるため、疲れた状態でも直線の上り坂に対応できるパワーが必要だと考えています。
また、時計のかかる馬場は、スタミナ(心拍機能)の消費だけでなく、筋肉にも疲労のかかる馬場となります。
筋肉があり過ぎても体が重くなりスタミナキープの負担になりますが、無さ過ぎても最後の直線で使えるパワーがなくなっている可能性が高いので、ある程度の筋肉量は必要だと考えています。
スタミナ
荒れた馬場は、体力の消費が目に見えているため、スタミナ豊富な馬に越したことはないです。
また、最終コーナーから直線にかけて仕掛ける馬が多くなりがちなため、長く良い足を使えるという意味でもスタミナ要素は必要だと考えています。
スピード
荒れた馬場ではスタミナ消費が激しいため、スピードに長けた馬は持ち前の能力を活かせずに失速していく可能性が高いです。
足元が悪いと1回のストロークで進む距離も通常馬場より小さくなるため、スピードタイプの馬は進んでない割にスタミナを消費してしまうことになります。
ただ、高速馬場の時と同様にスピードがあれば「下り坂でのさらなる加速」と「コーナーへの対応」が可能なため、あるに越したことはないと考えています(スピード要素があり過ぎるとNG、適度にスピード要素が馬体に出ている馬が望ましい)。
過去好走馬体例
過去の馬場が荒れたレースでの好走した馬を紹介します。
紹介するのは以下2頭です。
- ラキシス(2015年 産経大阪杯 1着)
- モズベッロ(2021年 大阪杯 2着)
ここで、2頭の馬体に共通する点が2つあります。
- スリムな細マッチョ体型
- 腹が後躯に向かって引き締まっている
この2頭の馬体は非常によく似ており、どちらもスリムな細マッチョ体型となっています。
つまり、スタミナとパワーに長けた体つきをしており、荒れた馬場でも対応できそうです。
また、筋肉のつき方も高速馬場で取り上げた好走馬体2頭と比較しても全然違います。
高速馬場で取り上げた2頭は、下図右のような上腕三頭筋がムキムキに見えるのに対して
時計のかかる馬場では、下図左のように上腕三頭筋はそこまでですが、前躯全体の筋肉バランスが良いように見えます。
所感ですが、前者はスピードと合わせて推進力に変える筋肉に特化しており、後者は筋肉疲労も抑えられるバランスの良い筋肉と私は捉えています。
また、パワーとスタミナだけでなく、腹が後躯に向かって引き締まっています。
これは、バネ感のある証拠で瞬発力にも長けた馬体だと思われます。
適正馬体の見抜き方(詳細は別記事)
ここまで、コースを好走するために必要な能力について記載しました。
ただ、それだけではその能力を持つ馬を見つけるために馬体のどこを見ればいいかわからないと予想に活かすことができません。
各要素を持つ馬体の特徴は、馬体写真から見極めることができます。
詳細は、下記リンクよりご確認ください。