競走馬にはコースごとに得意・不得意があり、馬体を見ることでその傾向を判断することができます。
本記事では中山芝1200mを得意とする馬体の特徴についてまとめています。
中山芝1200mはG1スプリンターズSが開催されるコースで有名です。
コースの特徴や馬場状態を考慮したうえで好走する馬体について解説します。
この記事でわかること
・中山芝1200mを好走するために必要な適性能力・高速決着で中山芝1200mを好走する適性馬体
・タフな条件で中山芝1200mを好走する適性馬体
中山芝1200mを好走するために必要な適性能力
まえおき
各コースで必要な能力を判断するためには、そのコースの特徴とその馬が持つ適性能力を知る必要があります。
本記事では、競走馬が持つ適性能力をパワー、スタミナ、スピードの3要素に分類して解説しています。
詳細については以下記事で確認できます。各適性能力の定義とそれらを示す馬体の特徴例などを記載しています。
中山芝1200mのコース特徴
適性能力を解説する前に先ずはコースの特徴を知るのは必要不可欠です。。
コース概要と適性能力を判断するうえでのポイントを解説します。
スタートは外回りの向正面からとなり、そのままコーナーを周り、ゴールとなります。
最後の直線は、約310mと短めで、ゴール手前には高低差約2.2mの急な上り坂があります。
1200m戦はレース自体が約1分で終わる短距離ですが、競馬場ごとの特徴があり、非常に奥が深いです。
ここで適性馬体を見極めるうえでの重要なポイントを紹介します。
勢いがつきやすく、展開が速くなることが多い
外回りの向正面途中からからスタートとなり、下り坂となっています。
さらに最終コーナーまでは緩いカーブになっているため、勢いがつきやすく、展開が速くなることが多いです。
そうなると短距離戦では、息つく間もなく直線を迎えることになるため、スピードを維持するためのスタミナが必要になります。
スピードを落とさずにうまく立ち回れる機動力が必要
Point1であげたようにスピードがでやすいコースのため、最終コーナーでもうまく立ち回れる機動力が必要になります。
特に中山は小回りで有名な競馬場の１つで、曲がりにくいため、より機動力が求められます。
足や胴が長い大型馬にとっては不利に働く可能性が高いです。
中山芝1200mを好走するために必要な適性能力
コースの特徴も踏まえ、好走するために必要な適性能力を以下に示します。
各条件別での適性能力をまとめると以下の通りです。
【定義】良馬場かつ上がり32～33秒前半がでる高速馬場
【結論】パワーとスピードで押し切れる
【信頼度】A
短距離戦では、基本的はパワーとスピードが必要です。
中山芝1200mではスタートから下り坂で勢いがつきやすく、ハイペースになりやすく、最後までそのスピードを持続させる能力（スタミナ）が求められることが多いです。
ただ、短距離かつ高速馬場ではそもそものスピード能力が高ければそのまま押し切れる傾向にあります。
また、中山は比較的コーナーが急なため、勢いのまま上手く立ち回れる器用さも必要になります。
【定義】33秒後半以上かかるタフな馬場展開（稍重くらいまで）
【結論】スプリント戦だが総合力が必要
【信頼度】B
ハイペース必須のため、馬場が悪くなるとスタミナは必要になります。
ただ、コーナーが急カーブで直線も短いため、ロスなく立ち回るための器用さ（スピード要素）が必要だと考えています。
良馬場でもあがりがかかる馬場なら総合力が問われると思っています。
馬場が悪くなればなるほど総合力より、スピード×スタミナよりの能力がになります。
高速決着で好走する適性馬体
具体的に高速決着で好走した穴馬の馬体特徴を説明します。
穴馬探しの参考にしてください！
過去好走した穴馬
先ずは過去に高速決着で中山芝1200ｍを穴馬で好走した馬を2頭紹介します。
【レース】2024年 スプリンターズS
【着順（人気）】1着（9番人気）
【条件】良馬場、Hペース（レース上がり最速：33.2s）
【馬体重】526㎏（レース出走時）
【レース】2021年 スプリンターズS
【着順（人気）】3着（10番人気）
【条件】良馬場、Mペース（レース上がり最速：33.2s）
【馬体重】500㎏（レース出走時）
紹介した穴馬2頭の馬体には共通点があります。
その共通点が好走する馬体の特徴となり、詳細を以下で説明します。
特徴❶：胴が詰まり気味
図左のように胴が詰まり気味であれば一完歩の回転数も速くなり、伸縮性の高い動きを実現でき、高い機動力＋加速力アップに繋がります。
一完歩の幅は小さくなりますが、その分走行の回転数が速いため、機動力に長けた走りができます。
急カーブでは上手く立ち回る機動力、短い直線では決めてを発揮できる瞬発力が必要になるため、中山競馬場をこなすためには必須の特徴と言えるでしょう。
特徴❷：足が短く重心が低い
足が短いということは、一完歩（歩幅）も短くなりますが、その分走行の回転数が速く、次の一歩を素早く踏み出すことができます。
また、力強く一歩を踏み出せるため、パワーとスピードに長けたスプリンター、マイラーに多い特徴となります。
高速馬場であればスタミナよりもこういったTHEスプリンターと言える要素は必須になります。
タフな条件で好走する適性馬体
具体的にタフな条件で好走した穴馬の馬体特徴を説明します。
穴馬探しの参考にしてください！
過去好走した穴馬
先ずは過去にタフな条件で中山芝1200ｍを穴馬で好走した馬を2頭紹介します。
【レース】2020年 スプリンターズS
【着順（人気）】3着（10番人気）
【条件】良馬場、Hペース（レース上がり最速：33.6s）
※ハイペースなのに1.08.7と遅い決着
【馬体重】478㎏（レース出走時）
【レース】2018年 スプリンターズS
【着順（人気）】2着（11番人気）
【条件】稍重馬場、Hペース（レース上がり最速：34.3s）
【馬体重】436㎏（レース出走時）
紹介した穴馬2頭の馬体には共通点があります。
その共通点が好走する馬体の特徴となり、詳細を以下で説明します。
特徴❶：胴にゆとりがある
図右のように胴が長ければ、一完歩の回転数は落ちますが、スタミナ消費を抑えた長く良い脚を使える馬が多いです。
ハイペース必須のスプリント戦のため、タフな条件であれば多少の機動力よりもスタミナ要素持った馬のほうが好走傾向にあります。
特徴❷：足が長い
ゆとりのある胴回りと同様に足は長いほうが大きなストライドで加速することができ、スタミナ消費を抑えた走りが実現できます。
一見スプリンターには見えない馬体特徴ですが、馬場が荒れればマイル並みのスタミナが必要になるため、タフな条件では必要な特徴となります。
まとめ
高速決着での適性馬体
【信頼度】A
【好走条件】スプリンターの基本的な要素とスピードを持続させるためのスタミナが必要
【パワー＆スピード要素】体の重心が低いかつ胴も詰まり気味
タフな条件での適性馬体
【信頼度】B
【好走条件】スプリントの必要能力＋タフな馬場でもスピードを持続するためのスタミナ(＝総合力)
【スタミナ要素】足や胴の長さにゆとりがある馬体
以上、中山芝1200mを好走する適性馬体の解説でした！
皆さんの予想の参考に少しでもなれば嬉しいです！
