競走馬にはコースごとに得意・不得意があり、馬体を見ることでその傾向を判断することができます。
各競馬場にはそれぞれ特徴があり、馬によって得意なコース、苦手なコースがあります。
それを見極めるための1つのツールが馬体です。
サツキの馬体noteでは、競馬場ごと、距離ごとに好走する馬体の特徴をまとめています。
具体的な競馬場ごとの好走馬体の特徴は、以下ショートカットよりご覧ください!
東京競馬場
日本ダービーやジャパンCなど多くのG1が開催され、これまで数多くの名場面が誕生したTHEど定番コースです。
左回りで1周の長さが約2000mあり最後の直線も広くて長いため、コース全体の規模を見てもその馬の実力が問われるコースとなっています。
まさに最強を決めるにふさわしいコースです。
個人的に印象に残っているレースは記憶に新しい2020年のジャパンC!
クラシック3冠馬の3頭が出走した夢のようなレースは一生忘れません。
基本データ
コース特徴
- 直線距離:525.9m
- 高低差:2.7m
- コーナーR:緩い
- 最大の特徴:広くて長い直線(上り坂もある)
開催されるG1
- フェブラリーステークス
- NHKマイルカップ
- ヴィクトリアマイル
- オークス
- 日本ダービー
- 安田記念
- 天皇賞秋
- ジャパンカップ
好走馬体をチェック
東京コースは、カーブも緩やかで直線も広くて長いため、運良く勝てるコースではありません。
その馬の実力がモロに出るため、馬体だけではなく、その馬のポテンシャルも大事です。
人間でも筋肉ムキムキの人が運動神経が絶対良いとは限らないのと同じです。
強いて言うなら馬体全体を見た時に骨格、筋肉量のバランスが良い馬が好走しているように見えます。
実力がある馬=馬体のバランスが良い馬と考えることもできるので、もし東京のレースで判断に迷った時は馬体バランスの良い馬を選ぶといいかも知れません。
中山競馬場
年末の有馬記念をはじめ、クラシック戦線の皐月賞なども開催される競馬場です。
右回りで、芝コースは内回りと外回りの2パターンあります。
アップダウンが激しい、コーナーが急カーブ、ゴールにかけての急な上り坂などクセのあるコースです。
中山競馬場だけ好走する馬も少なくありません。
中山巧者といえばマツリダゴッホ!
生涯で制したレース10個のうち8勝が中山とういうまさに中山の鬼。
基本データ
コース特徴
- 直線距離:310m(4大場で最も短い)
- 高低差:5.3m(全10場で最大)
- コーナーR:きつい
- 最大の特徴:短い直線にある最後の急な上り坂
開催されるG1(障害レースを除く)
- 皐月賞
- スプリンターズステークス
- 有馬記念
- ホープフルステークス
好走馬体をチェック
アップダウンの激しいコースのため、基本的にはスタミナとパワーが必要であることは間違いないと思います。
ただ、過去の好走馬体を見ると瞬発力勝負を得意とする馬の好走も見られます。
同じ競馬場でも距離や馬場によって好走する馬体は異なるため、チェックする必要があります。
阪神競馬場
桜花賞などクラシック戦線で多く使用される競馬場です。
また、春のグランプリホースを決める宝塚記念の舞台でもあります。
右回りで、芝コースは内回り、外回りとあり距離によって通る場所が異なります。
直線は急な上り坂となっておりどの距離においても上りきるパワーが必要とされます。
個人的に印象に残っているレースは、2014年の桜花賞!
勝ち馬ハープスターの直線最後方からの豪快な差し足は今でも忘れられません!
基本データ
コース特徴
- 直線距離:約360m(内)、約475m(外)
- 高低差:1.9m(内)、2.4m(外)
- コーナーR:緩い
- 最大の特徴:内、外回りで特徴が全く異なる
開催されるG1
- 大阪杯
- 桜花賞
- 宝塚記念
- 阪神ジュベナイルフィリーズ
- 朝日杯フューチュリティーステークス
好走馬体をチェック
阪神外回りは、直線が長く広いため東京競馬場の右回りVerと言われることもあります。
そのため、直線が長く広いと運良く勝つことは難しく、馬の実力が発揮しやいコースとなるため、馬体のみでの好走判断は正直難しいでしょう。
ただ、G1のような大きな舞台では基本内回りが使用されているため、東京競馬場ほど気にする必要はないかもしれません。
好走馬体の特徴としては、パワーを持った馬が好走傾向にあります。
最終コーナーから直線までが下り坂になっているため、勢いがつきやすく、パワーがあればより優位に競馬ができるからだと思います。
京都競馬場
長距離王を決める天皇賞や牡馬、牝馬のクラッシク最後の1冠となる秋華賞、菊花賞が開催される競馬場です。
※現在改修工事中のため、完了後更新予定
リニューアルされたコースがこれまでの傾向とどう変わっていくのか楽しみです!
開催されるG1
- 天皇賞春
- 秋華賞
- 菊花賞
- エリザベス女王杯
- マイルチャンピオンシップ
中京競馬場
高松宮記念とチャンピオンズカップが開催される競馬場です。
左回りで、かつては平坦なコースでしたが、2012年の改修工事以降コースが一新され、直線の長さや高低差などは4大場に次ぐほどの大きなコースに生まれ変わりました。
高松宮記念は荒れるイメージが強いです。
それだけコースに特徴があり、穴馬が好走できる馬体や血統背景があるのかもしれません。
基本データ
コース特徴
- 直線距離:413m
- 高低差:3.5m
- コーナーR:緩い
- 最大の特徴:東京競馬場に次ぐ長さと高低差のある直線
開催されるG1
- 高松宮記念
- チャンピオンズカップ
好走馬体をチェック
直線が長く、急な上り坂もあるためタフな競馬になることが多いため、筋肉量の多いパワータイプや長く良い足を使えるようなスタミナタイプの好走が目立ちます。
新潟競馬場
新潟記念や関谷記念などの重賞に使用され、主に夏競馬を盛り上げる舞台の1つとなります。
左回りで、芝コースは内回りと外回りがあります。
最大の特徴は直線の長さで、外回りの長さは全競馬場の中で最長となります。
その長い直線を活かした1000mの直線レースが唯一ある競馬場でもあります。
新潟といえば1000mの直線レース!
個人的には、千直のG1があっても面白い気がします。
基本データ
コース特徴
- 直線距離:359m(内)、659m(外)
- 高低差:0.8m(内)、2.2(外)
- コーナーR:緩い
- 最大の特徴:内回りと外回りで特徴が全く違う(外回りの直線は最長!)
開催される重賞(障害レースを除く)
- 新潟大賞典(G3)
- アイビスサマーダッシュ(G3)← 直線!!
- レパードステークス(G3)
- 関屋記念(G3)
- 新潟2歳ステークス(G3)
- 新潟記念(G3)
好走馬体をチェック
直線が長いため、東京競馬場と同じように長く良い足を使える馬が好走傾向にあると思いがちですが、過去の好走馬体を見ると必ずしもそうとはならなそうです。
確かに直線は長いですが平坦なため、持続力というよりも瞬発力とパワーで押し切れるような馬が好走傾向にありそうです。
もちろん、距離や展開によっては、持続性の高さを求められるレースもあると思いますが、思っている以上に瞬発力型の馬が好走している印象です。
小倉競馬場
小倉記念などの重賞で使用され、主に夏競馬を盛り上げる舞台の1つです。
右回りでローカル競馬場らしい小回りなコースとなっています。
他の競馬場と比べて直線が平坦など特徴が少なく思えますが、ここを得意とし、穴をあける馬が多く見られます。
特に芝の1200m戦はよく穴馬が走る印象です。
基本データ
コース特徴
- 直線距離:293m
- 高低差:3m
- コーナーR:緩い
- 最大の特徴:平坦で短めな直線(スピード勝負!)
開催される重賞(障害レースを除く)
- 小倉大賞典(G3)
- 小倉記念(G3)
- 北九州記念(G3)
- 小倉2歳ステークス(G3)
好走馬体をチェック
小倉競馬場の直線は平坦で短いため、最終コーナー、直線でいかに加速して後続を突き放せるかが勝利へのポイントとなります。
特に1200m線では、パワーもあまり必要せず、馬体重が軽めの身軽なスピード馬がよく好走しています。
ただ、あくまで直線が平坦というだけで全体の高低差は、3mあります。
距離が長くなると多少はアップダウンのあるコースへと変貌するため、スピードに合わせてパワーやスタミナも要求されるレースもあると思います。
福島競馬場
七夕賞などの重賞に使用されています。
右回りで小倉競馬場と同様、ローカル競馬場らしい小回りなコースとなっていますが、アップダウンの激しい意外とトリッキーなコースでもあります。
ローカル競馬場の中でもアップダウンの激しいコースです。
その分馬体を見れば得意不得意がはっきりわかる競馬場だと思っています。
基本データ
コース特徴
- 直線距離:292m
- 高低差:1.9m
- コーナーR:緩い
- 最大の特徴:全場の中で最も1周距離が短い
開催される重賞
- 福島牝馬ステークス(G3)
- ラジオNIKKEI賞(G3)
- 七夕賞(G3)
- 福島記念(G3)
好走馬体をチェック
小回りの競馬場なのですが、コーナーにはスパイラルカーブ(緩いカーブ)が適用されているため、スピードを落とさずに加速できます。
また、直線もそこまで長くないため、展開的にはコーナーから加速しながらの競馬になりがちです。
よって、コーナーから直線にかけて長く良い足が使えるかが好走への鍵となりそうです。
札幌競馬場
G1馬が数多く出走するスーパーG2札幌記念の開催場所として有名です。
右回りで、平坦なコースですが、コーナーの割合が他の競馬場と比べて多くトリッキーなコースになっています。
函館競馬場と同様に芝は、北海道の気候に合わせて保水性の高い洋芝が使用されています。
G2札幌記念は、数々の名馬が秋へのステップレースとして使うレースです。
このレースもG1になれば夏の楽しみが増えて良いですね。
基本データ
コース特徴
- 直線距離:約268m
- 高低差:0.7m
- コーナーR:緩くて大きい
- 最大の特徴:1周が円形(一般的な競馬場が楕円形とした場合)
開催される重賞
- クイーンステークス(G3)
- エルムステークス(G3)
- 札幌記念(G2)
- キーンランドカップ(G3)
- 札幌2歳ステークス(G3)
好走馬体をチェック
コース全体を見たときにコーナーの割合が多く直線が短いため、展開的にコーナーからペースが加速するレースになりがちです。
その場合、追い込み馬は終始外を回ることになるため、先行馬と比べてスタミナを消費してしまいます。
よって、特に追い込み馬は長く良い足が使えるスタミナが必要になると思われます。
また、それに加えて保水性の高い洋芝により時計のかかる馬場となっているためスタミナは必須といえるでしょう。
函館競馬場
函館記念などの重賞に使用されます。
右回りで、アップダウンの激しいコースとなり、ローカル競馬場の中では最大の高低差を誇ります。
札幌競馬場と同様に芝は、北海道の気候に合わせて保水性の高い洋芝が使用されています。
同じ北海道の札幌競馬場とは、洋芝という共通点がありますが、それ以外の特徴は全く異なります。
それに合わせて2つの競馬場で好走する馬体も異なりそうです。
基本データ
コース特徴
- 直線距離:約263m(全場最短)
- 高低差:3.5m(ローカル競馬場最大)
- コーナーR:緩い
- 最大の特徴:札幌競馬場よりもタフなコース形状
開催される重賞
- 函館スプリントステークス(G3)
- 函館2歳ステークス(G3)
- 函館記念(G3)
好走馬体をチェック
札幌競馬場と同様、直線はあまり長くないため、展開としては最終コーナーからペースが加速するレースになりがちです。
そのため、長く良い足を使う必要があるため、スタミナは重要です。
さらに函館はアップダウンの激しいコースのため、道中でもスタミナを消費しがちです。
それに加えて洋芝なので、相当タフなレースをこなせるスタミナが必要だと考えています。