【馬体基礎知識】予想にも活用可能!馬体からコース適性を判断するための3要素(パワー、スタミナ、スピード)

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馬体を予想に活用するための最適な方法はこのコース適性判断だと考えています。

競馬予想において、馬の能力や適性を判断することは重要となります。

能力とはその馬のポテンシャル、強さを示し、適性は走るコースへの適応力を示します。

競馬場のコースは、開催地や距離によって大きく異なるため、馬にも得意不得意(適性)があります。

適性を判断するために読み取れる馬体の要素は3つあり「パワー」「スタミナ」「スピード」です。

これらの要素を正確に評価することで、競馬新聞に載っている数値や血統では判断できない穴馬を見つけることができます。

この記事でわかること

・馬体がコース適性判断(=予想)に活かせる根拠

・コース適性を判断するための3要素の重要性と特徴

・予想への活用方法

コース適性を判断するための3要素

コース適性を判断する重要性

競馬場のコースは各場所によって坂があったり、コーナーのカーブが急だったりと特徴があります。

そして距離によっても通る場所が異なり同じ競馬場でも全く違うコースになることもあります。

よって、各コースの特徴にあった適性馬体を判断することは、予想するうえで重要となります。

その適性を判断するための要素がパワー、スタミナ、スピードの3要素になります。

重要なのはこの3要素の必要なバランスがコースによって異なるということです。

基本的には、3要素のバランスがとれた馬体がどのコースでも適応できる理想の馬体になります。

ただし、それは能力が十分に備わっている(ポテンシャルが高い)馬の場合です。

ポテンシャルがOPクラスの馬がバランスの良い馬体では、G1で好走することは難しいでしょう。

ただ、ポテンシャルを補うのがコース適性の高さになります。

いくつか例を紹介します。

中山と中京ではコースが全く異なる芝1200m

皆さんご存知の世界のロードカナロアは国内スプリントG1である“高松宮記念”と“スプリンターズS”の両方を制覇しています。これは馬のポテンシャルが高いからです。

一方でセイウンコウセイという馬は高松宮記念で1着1回、2着1回と好成績を収めていますが、スプリンターズSでは2回挑戦して2桁着順に終わっています。

このように同じ距離でもコースの特徴の違いにより得意不得意は変わるのです。それを判断できるのがコース適性です。

特殊距離(中山芝2500m、阪神芝2200m)で好走する穴馬

“有馬記念”や“宝塚記念”ではよく穴馬が好走する印象がありませんか?それはベタなG1コースと比べて距離やコース形態など異なる特徴が多いからです。有馬記念などで好走する穴馬はそのコース特徴にマッチした馬が多く、普段ポテンシャルで負かされている馬を適性で逆転できているのです。

このように馬のコース適性を判断する上で非常に重要となります。

そのコース適性を判断する重要な要素がパワー、スタミナ、スピードであり、コースによってその必要な割合が異なります。

そのコースに適した要素を持っていればOP馬などでもG1で好走可能だと私は考えています。

なぜコース適性を馬体から判断するのか?

コース適性を判断するうえで最も信憑性が高いファクターが馬体だと思っています。

もちろんレース成績や血統からも適性判断は可能ですが、馬も人間と同じ生き物なので数値や文字列だけでは本当の適性(各馬の個性)を見抜くのは難しいと思っています。

レース成績の場合、何度か同じコースや距離を走ることでその馬の適性が見えてきますが、データ数が必要です。

さらに、データが揃う頃には皆その馬の適性に気づき、馬券としての旨味も薄くなっていると思います。

馬体なら極論ですが、新馬戦からでも予想に取り入れることができます!

血統の場合、同じ母・父から生まれた子が皆同じ適性を持つかどうかはわからないと思っています。

馬体なら血筋に関係なく、実際に走る馬の適性有無を吟味できます。

これらが馬体で適性を判断する最大のメリットだと思っています。

能力(ポテンシャル)の判断は馬体でも難しいですが、それはどのファクターでも同じことだと思っています。

その中で予想の差を生み出すのが馬体で見るコースへの適性判断だと私は考えています。

もちろん、血統などを否定するつもりはないです。

馬体も実際に馬を見ないと予想できなかったり、簡単に見抜き方を習得できないといったデメリットもあります。

ただ、競馬が大好きで馬体好きな私にとっては楽しんで予想もできます。これも理由の1つです。

このブログも馬体を使って予想をしたいという方の参考になればと思い作成しています。

3要素の具体的な評価方法を紹介

ここまで文字多めだったので、ここからは絵も交えて3要素を用いた馬体評価について説明していきます。

以下に一例を示します。

先ずは図の右に示すように馬体に備わった各要素の特徴を洗い出します。

具体的な説明はここでは省略しますが、馬体は各部位ごとに細かく見ていくと各馬で全く違います。

1番わかりやすいのが筋肉量かもしれませんが、それ以外にもクビの太さやお腹周りの引き締まり具合など異なるところはたくさんあります。

その微妙な違いを見抜くことで3要素に振り分けることができ、それを要素ごとに全て洗い出します。

次にその要素が馬体全体を占める割合や各特徴がその要素へどれだけ寄与するかを考慮して得点化します。

それが図の左にある三角形のレーダーチャートです。

図を例にもう一度説明します。

色で各要素に分けてマーキングされた特徴の数を見ると3要素とも同じ(2個ずつ)です。

※各マーキングの意味は各要素の詳細記事で説明しています

そして、各特徴がその要素に寄与する比率(重みづけ)も同じくらいと判断できれば、レーダーチャートはバランスの取れた3角形となります(図左)。

レーダーチャートの見方について

このレーダーチャートは3要素の比率を示しているだけです。単純に三角形が大きければ良いと言うわけではありません。あくまでのその馬体に占める3要素の割合を示します。その割合から判断できるのはポテンシャルではなく適性です。

次に各要素ごとにその重要性と見抜く際の馬体を見るポイントについて解説します。

パワー要素を持つ馬の特徴とは?

3要素の中では比較的判断しやすい要素になります。

筋肉量や胸、足、トモの厚みなど馬体を見慣れていない人でもその違いを判断しやすいと思います。

コース適性を判断するうえでパワーが重要な理由と具体的に判断できる要素を簡単にまとめました。

パワー要素の重要性

パワー要素をもつ馬が好走する条件をいくつか紹介しながら重要性について解説します。

パワー要素を持つ馬体が得意とするコース

❶短距離

❷1800m以下の高速馬場

❸時計のかかる馬場

1つ目の短距離は、イメージがつきやすいかと思います。

短距離にはパワーは必須です。

短距離で実績のある馬は、基本的に馬体重が500kg前後で、足が短めの馬体が多いです。

2つ目は1800m以下の高速馬場です。

1つ目で説明した通り、パワー要素は短距離馬に多い特徴です。

しかし、短距離とは言い難い1600m、1800mでも高速馬場なら好走可能です。

短距離馬でも高速馬場ならパワーだけで押し切れるコースが多いと思っています。

3つ目は時計のかかる馬場です。

距離や芝・ダートに関わらずパワー要素を持つ馬体は時計のかかる馬体で好走傾向にあります。

時計がかかる=足もとが悪いため、1回の踏み込みで筋肉にかかる疲労も通常馬場より多くなります。

少しでも筋肉疲労を抑えるためにパワー要素は必須です。

ただ、不良馬場などあまりにも荒れすぎた馬場では、踏み込み時にかかる負荷も大きく、シンプルに体力も削られるため、ある程度のスタミナも必要になってきます。

以上、紹介した3つの条件ではパワー要素は必須のため、好走馬体を判断するうえで重要な要素となります。

パワー要素の判断材料

いくつか具体例を紹介していきます。

ただし、ここでは全ての判断材料は紹介しません。

この記事を読んでもっと知りたいと思った方は以下詳細記事をご覧ください。

【馬体基礎知識】馬体から読み解くパワータイプの特徴

パワー要素を最も判断しやすいのが筋肉量です。

イメージ通り筋肉量が多ければそれだけパワーがあることになります。

筋肉量を見極めるのは比較的簡単な方だと思いますが、競走馬はどの馬体も筋肉質のため、違いを見つけ出すには慣れが必要かもしれません(最初はどの馬体も筋肉モリモリに見えます)。

そんな時は馬体重を確認しましょう。

馬体重が重いということはそれだけ体格が大きく筋肉も豊富ということになります。

また、馬体重はフォトパッドクの有無に関わらず、数値だけで判断が可能なためシンプルです。

基本的には馬体重が重い=パワータイプと思えばいいです。

スタミナ要素を持つ馬の特徴とは?

3要素の中では1番重要な要素だと思っています。

コース適性を判断するうえで最も重要なのが距離適性です。

よって馬体を見て距離がもつかを判断できるだけでも予想に十分活かすことができます。

それ以外にもスタミナが重要な理由はいくつかあります。

その理由と具体的に判断できる要素を簡単にまとめました。

スタミナ要素の重要性

スタミナ要素をもつ馬が好走する条件をいくつか紹介しながら重要性について解説します。

スタミナ要素を持つ馬体が得意とするコース

❶長距離

❷時計のかかる馬場

❸直線が長くて広いコース

❹タフな展開

1つ目の長距離は説明不要ですね。長距離戦はスタミナ必須です。

2つ目の時計がかかる馬場とは雨などで馬場が荒れた状態のことを示します。

雨でぬかるんだり、レースで多く使われてボコボコに傷んだ馬場だと馬も走りづらくスタミナを消費しやすくなります。

なので、そういった馬場ではスタミナが必要になってきます。

3つ目の直線が長くて広いコースとは東京や新潟競馬場のようなコースを示しています。

直線が長いと一瞬の切れ味よりも持続的に良い脚が使える馬体のほうが好走する可能性が高いです。

4つ目のタフな展開とはハイペースやコーナから直線にかけて仕掛け合いが始まりラップが一気に上がるような展開を示します。

そういった展開でスタミナのない馬が最後の直線を迎えるともう使える脚が残っていない可能性が高いです。

以上、紹介した4つの条件ではスタミナ要素は必須のため、好走馬体を判断するうえで重要な要素となります。

スタミナ要素の判断材料

いくつか具体例を紹介します。

他の要素と同様にここでは全ての判断材料は紹介しませんので、続きが気になった方は是非以下詳細記事をご確認ください。

【馬体基礎知識】馬体から読み解くスタミナタイプの特徴

スタミナ要素を判断する材料で最もシンプルなのは胴のゆとりや脚の長さなどが挙げられますが、ここでは最も寄与度が高い(スタミナの有無をほぼ100%判断できる)材料をお伝えします。

それは、腹袋の有無(またはその大きさ)です。

腹袋とはお腹部分の膨らみを示しており、ここが大きいと体内の臓器がしっかりしていると言われています。(下図左のイメージ)

臓器がしっかりしている分、タフな展開になった際に簡単にはへこたれない粘り強い走りができるようです。

実際にG1宝塚記念や天皇賞春などスタミナを要するタフなレースを好走する馬の多くはこの特徴を持っていました。

スタミナの有無を判断したい時はまず腹袋を見ましょう。

スピード要素を持つ馬の特徴とは?

3要素の中では1番判断が難しい要素になります。

基本的には体の伸縮性(柔らかさ)があるかを見るため、フォトパドック(静止画)では判断が難しいところもあります。

ただ、コース適性を見抜くうえでは重要な要素となるため、スピードの重要性と具体的に判断できる要素を簡単にまとめました。

スピード要素の重要性

スピード要素をもつ馬が好走する条件をいくつか紹介しながら重要性について解説します。

スピード要素を持つ馬体が得意とするコース

❶直線が平坦なコース

❷直線が短いコース

❸小回りコース

❹スタートが重要なレース

1つ目は直線が平坦なコースです。

直線に上り坂がない場合は、特にパワーも必要なく、スピードだけで押し切れることが多いです。

京都や小倉競馬場などの直線が平坦なコースはスピード用を持った馬体に注目です。

2つ目は直線が短いコースです。

スピードを要素を持つ馬体は、一瞬で繰り出す加速力が他馬とは違います。

直線が短い場合のスピード勝負になった時は、他馬が勢いに乗る前に駆け抜けることができるでしょう。

特にスローペースのまま直線を迎えれば、スピード要素を持つ馬体が断然有利になります。

3つ目は小回りコースです。

スピード要素を持つ馬体は一完歩(歩幅)が小さいが、その分脚の回転数が速いとされています(そのためすぐに加速できる)。

一完歩が小さいということは、それだけ小回りが効くということにもなります。

そのため、中山競馬場などのコーナーが急カーブであるコースをロスなく周回することが可能です。

4つ目のスタートが重要なレースとは、位置取りのためにスタートが重要な短距離戦やスタート直後にコーナーがあるレースのことを示しています。

先ほど説明した通り、スピード要素を持つ馬体は脚の回転数が速いため、停止状態からでも一気に加速でき、有利にレースを進めることができます。

以上、紹介した4つの条件ではスピード要素は必須のため、好走馬体を判断するうえで重要な要素となります。

スピード要素の判断材料

いくつか具体例を紹介します。

他の要素と同様にここでは全ての判断材料は紹介しませんので、続きが気になった方は是非以下詳細記事をご確認ください。

【馬体基礎知識】馬体から読み解くスピードタイプの特徴

ここでは、スピード要素を判断する材料で最も寄与度が高い飛節について説明します。

飛節には、直飛と曲飛の2種類あり、スピード要素を持つ馬体は曲飛が多いです(下図右)。

曲飛だと足が伸びきらない構造となるため、ひと蹴りで進む量は小さくなりますが、その分脚の回転数は速くなり一瞬の加速力に秀でた走りが可能です。

スピード要素の有無を確認する場合は、まず飛節が曲飛かどうかを確認しましょう。

3要素を使った馬体診断

前述したように馬体を見て3要素の比率を見抜くには慣れが必要です。

ただ、慣れればコース適性を判断でき、確実に穴馬発掘につながります。

ここでは、いくつか例を用いてもう少し具体的に解説していきます。

基本的には3要素のバランスが重要

前述したように基本的には下図にように3要素のバランスが取れている馬体が理想です。

バランスが取れていれば、様々なコースに柔軟に対応できます。

また、東京競馬場のように直線が長くて急な坂道もあるような総合力が問われるコースでは3要素のバランスが求められてきます。

ちなみに上図のレーダーチャートは、皆さんご存知ディープインパクトを評価したものになります。

写真は載せれませんが、各要素のポイントが随所に見られる非常にバランスの良い馬体です。

一部例外もありますが、G1をいくつも勝つような名馬たちはバランスのとれた馬体が多い傾向にあります。

コースによっては重要な要素が異なる

バランスが重要とは言いましたが、それはあくまでG1級の能力がある馬の話です。

馬体を用いたコース適性判断の旨味はOPクラス級の能力でもコース適性でそれをカバーし、G1を好走できる穴馬を探せるところにあります。

本記事では、先ずイメージのつきやすい短距離、長距離で活躍するG1馬の馬体を使って具体的に説明します。

下図はマイルG1を制しているセリフォスの馬体を評価したものです。

馬体を見ると筋肉量が多くパワーを感じさせ、伸縮性の高そうな胴、足回りからスピードを感じさせます。

よって、レーダーチャートもパワーとスピード要素を占める割合が多くなります。

1200〜1600mを好走する馬体はこのような馬体が多いです。

続いてG1菊花賞や天皇賞春といった長距離戦を制しているタイトルホルダーの馬体を評価したものを下図に示します。

無駄な筋肉もなく、腹袋もしっかりしており、スタミナ要素満点の馬体です。

よってレーダーチャートもスタミナに秀でた形となります。

このように短距離馬と長距離馬で馬体を評価すると全く異なるレーダーチャートになります。

馬体はどれも同じように見えて、細かく見ていくと全く異なります。

その細かい差異を評価して予想に繋がることがコース適性判断における最大のポイントになります。

予想への活用方法

最後に、具体的な予想への活用方法について紹介します。

先ずは馬体診断(馬体から3要素を読み解く)

先ずは前述したやり方で評価したい馬体のレーダーチャートを作成します。

個人の主観によりチャートの数値は変わりますが、その人の中で判断軸がぶれなければ傾向は見れるはずです。

先ずは自分なりのレーダーチャートを作成するための評価指標を決めて馬体を評価してみましょう。

過去の好走馬体からコース適性馬体を判断する

次に予想するレースで過去穴馬として好走した馬体をチェックします。

傾向を見るために数頭見ておくことが望ましいです。

その傾向がコースの適性馬体だと考えています。

穴馬から傾向を探るという点がポイントになります。

もちろん人気で好走した馬体からも同じ傾向が見られる可能性もあります。

ただ人気馬はそれなりの実力を備えた馬たちなので、適性に関係なく能力だけで好走しており、適性を判断するときに穴馬と全く異なる傾向を示す可能性が出てきます。

そのため、コース適性を判断する際は穴馬のみにしています。

本サイトでは、競馬場とそこでの距離ごとに過去好走した穴馬から導き出した好走馬体を掲載しています。

【コース別適性馬体】競馬場、距離の違いでの好走馬体を徹底追求!

予想の参考にご活用ください。

活用できるまでの道のり

本記事では馬体を予想に活かす方法の1つとしてコースへの適性判断を紹介しています。

あくまで1つの手段であり、これを読んで今からすぐに実践できるわけでもないと思います。

馬体を予想に活かすには知識と慣れが必要です。

こればかりは数多くの馬体を見るしかないと思います。

それが馬体を予想に活かすところの難しいところですが、馬体好きな自分にとってはやりがいであり、面白い点でもあります。

本ブログは馬体に興味持ってくれた方の知識習得や慣れるためのヒントになればと思い日々情報を更新していきます。

少しでも皆さんの参考になってくれたら嬉しいです。

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